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2007年01月21日

タルタルステーキ

本日は、熟成した馬刺しを使いまして タルタルステーキを頂きました。

実はこの為に...某国某尾だ鞠亭主にしか連絡のとれないといふ
I・C・A(インターナショナル調理師アソシエイション)の創始者にお願いしましてね...
こちらに加盟中の J調理師會・モンゴル支部より J・嗎(マー)さんにお越し頂きましたのよ。
え?I・C・Aを ご存知ない?あらま。それはそれは・・・。


でね、
昨今は牛肉が主流のタルタルステーキも、本来は馬肉で作っていたものなんですって。
J・嗎(マー)さんが ウチの馬刺しの熟成具合に感動して、
調理しながらタルタルステーキのルーツをご教示くださいましたの。

嗎さんのお話によりますと...
タルタルステーキという名前は、モンゴル帝国の遊牧民たちを指す「タルタル人」が由来。
そのタルタル人が遠征の際に連れていく馬は、一人で数頭。
多くの馬を連れていくことで乗用はもちろん、乗り換えながら軍の食料にもしていた訳ですね。
しかし、もともと乗用の馬なので、食用に飼育された馬肉とは違って
非常に硬く筋の多く食べにくいものだったらしく、
刀で細かく切った肉を入れた袋を 鞍の下に置いて馬に乗り、
自分の体重と馬の運動で潰してから味付けをして食べる食習慣があったと言われます。

人間と馬の体温に挟まれて時間をかけて...って、
いくら香辛料を使ったといっても生で食して大丈夫だったの?と疑問に思いましたら、
基本的に馬は体温が高く、その筋肉中には寄生虫等の非常に少ない動物なのだそうですよ。
なるほど~!と思いました。
たしかに尾だ鞠亭では、馬肉の保存には気を遣っておりますが、
それでも他の生肉に比べるとかなり長い間、問題なく生食できるのです。

熊本人が馬肉を食べるようになったルーツが見えたような気がしました。
そう。モンゴル帝国のタルタル人によって もたらされたものなんです。

このタルタルステーキは、ヨーロッパにも渡り食べやすくするために
火を通して食されるようになりました。
その地とは、ドイツのハンブルグ・・・そうです、ハンバーグです。
日本人の大好きなハンバーグ。このルーツも タルタル人だったんですね。
そして、ハンバーグも もともとは馬肉だったのです。

チンギス・ハーンが1206年に創設した遊牧国家の「食」が、
いまこうして私達に馴染み深いメニューとして食卓に上ってるんです。
海を越え悠久の時を経て繋がった食文化。と思うのは大袈裟でしょうか?
いーえっ。
子供の頃から大好きだった、馬肉料理もハンバーグもあまりにも当たり前すぎて
どこの誰が作った料理かなんて考えないほど、家庭に馴染んだメニューだからこそ
46歳になった今、こうしてそのルーツを知ったことで、とーっても感動しちゃってる私なんです。
馬刺し、馬肉料理は熊本の食文化だと ずっと誇りに思っていましたが
その馬を食すことは何処からきたのか?というところとは未だ出会ってなかったんですね。
だから、きょうは私にとって馬刺しとハンバーグに、あらためて出会えた記念日。

そんなお話しのなか、J・嗎さんは淡々とお料理を作り続け・・・

作ってくれました。

ハンバーグ!!!

う・・・うれしぃ。

お・・・おいひぃ。

荒く刻まれた馬肉の味が、火を通したことでふくよかな味になり
ピクルスやケイパーの酸味が馬肉のそれをますます引き立てています。
こんな美味しいハンバーグ、生まれて初めて食べました。と、
あたしとあろうものが、感動しすぎて手足バタバタ状態で頂いてました。

「ソーデスカ!ソンナニヨロコンデモラエテヨカッタデス!」
と、
J・嗎さんは「ダッタン人の踊り」を口ずさみながらモンゴルへと帰っていかれました。

とさ。

投稿者 ゆみ@尾だ鞠 : 2007年01月21日 00:00

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