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2006年08月30日

海老好き

大好物です。
海老の豆豉炒め


私、やっぱり海老が好きなんだわ。と、再確認。。(蟹も好きよ)


じつは私、昔むかし
とある海老養殖会社のご子息とお見合いしましてね・・・
お見合いの話が来た時点で、その気もない私は お見合いなんかする気もなくお断りしたんです。
でも、仲人さんが
「せっかくだから、アチラご自慢の車海老だけでも食べてから断ればいいじゃないの」と
仰いましてね、
ええ、行きましたわよ。簡単に。車海老に釣られて。
だって、ただの海老じゃないんですもの。。車海老よ。
大好物の ひとつだったんですもの。

数日後、
お見合いの席には、期待の車海老のフルコースが座卓一杯に並んでおりました。

嗚呼!これよコレ!なんて素敵な光景!

そこには車海老しかいないの~♪

車海老だらけ。
車海老三昧。
車海老天国。
酒池海老林。

この光景を見るために、これをお腹に納めるために・・・当日早朝から
ここぞとばかりに、私に晴れ着を着せて飾り立てる母に文句も言わず、
どんなに帯を締め付けられても、帯の間にタオル一枚忍ばせてガマンした私。
死ぬほど海老を食べたいが為に捨てたわ。>自尊心。
ここまでして 当日ココに、車海老が並んでなかったら お膳ひっくり返してたと思う程に、
私の情熱は車海老に注がれていたの。

お見合い開始

・・・仲人さんが色々喋ってる間も、私の目は海老に釘付け。
お願いだから・・・はやくしてっ!
私は海老を食べに来たのよ!食べたいのよっ!海老っ!というオーラを 発散し続け・・・
それに気付いたのはアチラ家のお母様でした。さすが女将。(お母様がこの料亭の女将デシタ)
「まぁま、お話は食べながらの方が弾むでしょうし、そろそろ頂きましょう。」
ということで、私の食指は留まることを忘れ・・・
お喋りには、相槌だけは忘れずに・・・(仲人さんとの交換条件)
ひたすら食べました。
帯の間のタオルも 中座して抜き、食べ続けました。
だって、天ぷらにしても塩焼きも煮物も しんじょも、その火の通し具合が抜群で、
海老の香りが不思議と強烈じゃなく その身の柔らかさが「どうすればこんなに柔らかく火を通せるんですか?」と聞いてしまう程、美味しかったんですもの。
もちろん、お寿司も 特製海老しゃぶも堪能しました。
海老の踊りは、 女将が剥いて下さる前に 自分で剥いて食べ始めてしまいました。
この活き身がまた なんともいえずに甘くて、私は感嘆の声を上げ続けましたの。
女将も仲人さんも、「これも如何?」と御自分の分を差し出して下さいましたけど・・・
でも、もう本当にお腹一杯だったから お断りしました。
そしたら、それは全部 お土産に包んで下さいましたわ。ほっほっほ。

あぁお腹いっぱい。
なんて幸せ。
至福のひととき。
にこにこ。
この日一日で、一生分の海老を頂いた気がします。
ごちそうさまでした。

「じゃあそろそろ、若いお二人だけでお茶でも飲んできたら?」
って、定番の台詞が聞こえて我に返った私。
その定番台詞が いまこの現実に、
自分が言われてるってことが可笑しくて・・・ぷぷっと噴き出したら一斉大爆笑。
(私が始めて笑顔の対応したことに、皆さんホッとしたのだと、後日判明。)

で、初めてこのとき、私はお見合い相手の方をまじまじと見たような気がします。
覚えてないけど・・・、顔。
定番のお庭散歩とティータイム。
でも、何を お話ししたか・・・覚えてないけど・・・、話。
アチラがとんでもない成金&悪趣味ボンボンだった事に呆れたのだけは覚えてる。
だから帰宅後に即、仲人さんに お断り。破談。
すると、
「断ってもいいから、海老料理だけでも食べにいらっしゃい」と言ってた仲人さんてば、
「どうしてこんなに良いご縁を断るの?!断る理由が無いじゃないの?!」と、手のひら返し。
あるわよ。
断る理由なんて。いくらでも。と、ブツブツ言ったら
「正直に言ってちょうだい。どうしたの?何か気に入らないことがあったの?」と言うから
正直に・・・
「だって、あのヒト馬鹿だもん。私、嫌いなんです、馬鹿。
お金持ちの親に甘やかされただけの ただの馬鹿。あんな馬鹿。」と、バカバカ馬鹿連呼。
「そんなにバカじゃ仕方ないわね。。」と仲人さんも諦めた。
だけど、ウチの母はしばらく
「バカくらい、ガマンできないの?海老食べられないのと どっちが嫌?」と、ほざいておりました。
でもって、
「そりゃアンタはいーわよね。死ぬほど食べたんだから。」と、ブツブツ。
はい。
食べましたとも。死ぬほどね。ほっほっほ。

それから数日後、仲人さんよりお電話。
アチラのお母様(女将)が「どーしても!ウチの嫁に来て欲しい!」と諦めきれないとのお話し。
女将は、お見合いというシチュエーションを 全く無視した私の食べっぷりがお気に召したご様子。
普通じゃない私を気に入った女将に、普通に断っても諦めそうにないと判断した仲人さん、
私の「馬鹿連呼」を そっくりそのまま伝えたそうな。>最終兵器。
しかし・・・
その最終兵器の馬鹿連呼爆弾までもお気に召したご様子で・・・。
「うちのバカ息子に、バカって言えたヒトは今までいなかった!ぜひウチの嫁になって!」って・・・。

この・・・ 馬鹿親子。


てことで、私はその後一切のラブコール(from女将)を シャットダウンしましたの。

アレ以来、この二十数年間・・・
海老を見ても、さほど食したいとも思わずに過ごして参りました。
でも、最近また海老好きが復活。

私が あの時食べた海老・・・一生分じゃなく、25年分だったのね。

四半世紀分。


意外と少なかったわね。

投稿者 ゆみ@尾だ鞠 : 2006年08月30日 00:00

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