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2007年08月29日

関西最終日 2:大徳寺いちま

三光堂を出て、来た方向と逆の南側を見ると、100m.程先に こんもりとした杜が見える。
あれ?もしや、あれは・・・大徳寺 !?
てくてく、ずんずん歩いて杜に近づく。その杜を東回りに南下すると 見覚えのある道に出た。
そうそう。私の嗅覚が「ここよ!この道よ!」と訴える。
うん、もうしばらく行くと・・・あのお店が あるはず。
あった!「大徳寺 いちま」お寿司屋さんでございます。

こちらは4年前の冬、これまた &oさんに教えてもらって訪れた場所なのでした。
しかし、その時は・・・
「美味しいお寿司屋さんを教えてもらったの~♪一緒に行こっ♪」と、
京都に嫁入りした同級生・SAKIをわざわざ呼び出して行ったとゆーのに、お休みだったのよ。。
それも定休日とかじゃなくて、臨時休業だったのよ。
お店の前で、しばしぼーぜんとなった女二人。
気をとりなおして、せっかく来たんだから目の前の大徳寺を散策しよう。と、
山門をくぐるも・・名立たるお寺が 年末掃除の為とかで揃って休観中。
がるぅぅぅ・・・・・!と、お腹空かせて狂暴になりつつあった私を いち早く察知したSAKI、
さっさとタクシー拾って私を押し込み、四条河原町の中華料理店へ向かったのでした。
こちらの名前は失念しましたが、フカヒレの煮込みが美味しかった。
そのおかげで機嫌が直ったらしい私。持つべきものは友達よね。ほっほっほ。

閑話休題。

さて、きょうは開いているのかしら?と、「いちま」の前に立つ。
開いてます。のれんが出ております。

リベンジ、いっちゃう?ちょうど お昼だし。
だけど・・・
う~!
お昼に行きたかったお店を諦める?あそこのランチ・タイムは2時までよ。
う~!
だけど、ここでいかなきゃ女じゃないわよねっ!
と、
4年前の悔いを果たすべく、のれんをくぐった私なのでございました。。
だって、だって、
&oさんとこのブログに出てた「大徳寺いちま」の記事を読んだとき悶絶してしまった私ですもの。
今日を逃したら、あの記事見るたびに 地団駄踏みそうだもの。

***

お店に入ると、カウンターの中から「お好きなお席にどうぞ」と言われたので、カウンターに。
メニューを出されてから、このあとに食べる予定のもののことを考えて・・・
「今日は、軽く頂きたいのですけど・・」と板前さん(若旦那)に相談してみたら
「手鞠寿司ならシャリが少なめですから、お腹にたまらないと思いますよ」と、にっこり仰います。
では、そちらをお願いします。と私もにっこり。

目の前で握られた、可愛い手鞠寿司。

穴子、トロ、カンパチ、ウニ、キス、サヨリ、小鯵に巻き寿司。
いずれも私好みの程好い大きさですが、それぞれのネタの存在感と満足度はかなり高め。



特筆すべきは、トロとウニ。
何気に口に入れたトロでしたが、その途端に あまりにも美味しくて・・・否、旨過ぎて
「え?なんですか?これ!」と、言ってしまいました。無粋ですみません。
若旦那、「トロです。旨いでしょ?」と、またもやニッコリ。
あぁ・・若旦那ってば罪な笑顔だわ。
そしてそして!このウニの甘さにまいりました。濃厚だけど、くどくないし苦みもない。
一貫だけなのに・・・その後味の奥行きと余韻に浸ってしまいました。
すると若旦那ってば、私がその余韻から現の世に戻ってくるかこないかを見計らったかのように
「いかがでした?淡路産です。」とウニの船ごと出して見せてくれました。

あれれ?普段見慣れた、こんもり型とは違ってる。
「このウニは、型崩れ防止のミョウバンにくぐらせてないんですよ。苦みがなかったでしょ?」と。
なるほど。
型崩れ防止をしていないウニは、時間経過と共にとろけてしまうから
背向きに こんもりと盛り付けるのは物理的に無理。
私が普段見慣れていたものは、
こんもり!が新鮮に見えてしまうという人間の勘違いを逆手にとった薬使用のものだったんだ。
見た目が多少不恰好でも、こうして上向きならば、とろけても無理なく自然体を保てるし・・・
ストレート!まんまのウニですよー!という証でもあるわけね。
知らなかったことを知りました。美味しいお勉強!しちゃいました。わくわく。

店内には私以外の客人がなく、若旦那を独り占め状態(?)だったので
お寿司を頂きながら、
&oさんの紹介で来たということと、4年前に来た時のことをお話ししたら、ますます和んだ雰囲気に。
奥からは、女将さんも出てみえて楽しい時間を過ごさせて頂きました。
しか~し!&oさんてば、まー!京都でも皆さんの印象に深く残ってらっしゃる。罪な方。((爆))

その間にも目の前では、お土産用に頼んでおいた鯖寿司が美しく出来上がっていきます。
んで、
カウンター後方のバットに山盛りになってる太刀魚の美しさに見惚れていると
「綺麗でしょ?もうちょっと早く来てもらってたら一尾まるごとの綺麗な姿を見てもらえたのに!残念!」
と、若旦那。うーん・・私の視線て、そんなにわかりやすいんでしょーか?^^;

でも、私なんぞの一見客に こうして構って下さった皆さんの心遣いが、とても有難くて嬉しかったです。
感謝感謝でございます。
また京都へ行く際には、是非伺いたいと思います。
ごちそうさまでした。

*****
大徳寺いちま

京都市北区紫野下門前町25
 TEL075-491-4993 FAX075-491-8778

営業 11:00~14:00
    17:00~21:00
休日:月曜(祝日の場合、営業)

美味景色 | 2007年08月29日 00:00

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コメント

行っちゃいましたか、ついに、あの店へ!

写真、よく撮れてますね、いつもだけど。

旨かったでしょう、いちま、一押しですから。
僕なんかが太鼓判押すより、
数寄○橋○朗のだんなが食べに来る店!
といったほうが説得力がありますね。

板さん、おかみさん、ご主人、
皆さんの人柄もとてもよい気持ちの良いお店ですね。

三光堂が店じまいですかぁ!・・・
製本家のKさんのごゆうじんから教わったお店で、
気に入っていたのに残念ですね!
最後の一箱とは、なんというタイミング。

しかし、すごい濃い旅でしたね、京都。

投稿者 &O : 2007年09月18日 19:04

&Oさん、こんばんは。
はい。おかげさまで行って参りましたよ~「いちま」。
私がいただいた手鞠寿司も、ほんと美味しかったです。
この日は生憎 ご主人はいらっしゃいませんでしたけど、女将さんも若旦那も気さくで朗らかな方達ですね。
鯖寿司もめちゃめちゃ美味でございました♪

三光堂の松寿千年翠は、&Oさんに教えて頂いてなかったら出会うことのないお菓子でしたが、
まさか最後の一箱を買うことになるとは・・・!びっくり。
しかし、
当日の順番からして、「三光堂」に行かなければ「いちま」にも行ってなかった訳で・・・
濃い旅の要因(?)は、やはり濃い人のおかげでございますね。
ありがとうございました。

投稿者 ゆみ : 2007年09月19日 00:20

しかし、「丸太町東洋亭」に至っては絶句です。
このお店って、平野レミさんのオトウサン、仏文のあの平野イマオさん、「隠者の告白」の著者、その家系につながるお店なのですね?すごい。

濃いい人は一日が濃ゆいですね~!

投稿者 &O : 2007年09月19日 00:33

丸太町東洋亭・奥さまのお話しにも「イマオさん」「レミちゃん」とフツーにお名前が出てきまして、
あ~ほんとに近しいお付き合いなのだなぁ・・・と思った次第です。
私は「隠者の告白」を読んでいないので、帰ってきてから探してみましたところ絶版でした!
(ちなみに'94に出された新書版の装丁はレミさんの夫・和田誠さんなんですね。)

・・・誰が濃ゆいって?

投稿者 ゆみ : 2007年09月19日 13:12

 フランス文学者でありながらドラッグに溺れ、松沢病院への入退院を繰り返したイマオさんは言います「インテリの一部の人にとってはドラッグも許されるのではないか?」・・・うろ覚えですが。
 深くうなずいた僕は果たしてインテリ?・・・あるいは?

投稿者 &O : 2007年09月19日 17:45

あんぽんたん?

投稿者 ゆみ : 2007年09月19日 18:43

…はぁ~?

投稿者 &O : 2007年09月19日 21:21

・・・ごめんず。

投稿者 ゆみ : 2007年09月20日 01:33

羨むばかりの濃厚なストーリーに、このオチって。ありですかぁ?
スゴイな、このやりとり。なんだかわかんないけど、絶妙ですわ。

いつの日か、京都の旅ご一緒できますように!ワタシも早く大人になりたい(笑)

投稿者 Weizen : 2007年09月21日 00:20

>このオチって。ありですかぁ?

でしょ、でしょ~?
あんぽんたん・・・はないでっしょ~?
あーよかった、理解者がいて。

いつか一緒にオトナになりましょう!Weizen さん。?

投稿者 &O : 2007年09月21日 01:01

◆Weizenさん

>このオチって。ありですかぁ?

・・これってオチだったのね?(今知った)
だって、だって、

>インテリ?・・・あるいは?

って、聞かれたら・・・あんぽんたんしか思い浮かばなかったのよね。
他にはな~んにも出てこなくて、あんぽんたんしか出てこないの。
インテリじゃなきゃあんぽんたんしかないよね、やっぱり。うん。

いつか一緒に京都へ行こう~♪


◆&oさん

おだまりっ。

投稿者 ゆみ : 2007年09月21日 03:14

>おだまりっ。

お~!
これは「割烹 尾だ鞠」の店名が産まれた瞬間でしょうか?

投稿者 &O : 2007年09月22日 01:00

へぇ。ずいぶん昔の話になりますけどね・・・
私のこの口癖から「小田真理」とか「小田マリー」などと渾名がつきましてね、
その名をもとに、ウチの屋号を「尾だ鞠」としてくれはった人がおるんですわぁ。

あ、本日 古本屋さんより「陰者の告白」が届きました~。
こちら、絶版のせいか・・・オークションではすごいお値段になってて驚きました。

投稿者 ゆみ : 2007年09月22日 16:23

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